月のこどもたち

妊娠したけど喜べない、どうしよう、助けて……そんな女性の為のサイトです

悩む理由~妊娠したのに喜べない~

妊娠した。でも喜べない……その理由は何でしょうか?

  1. まだ高校生以下なので生めない
  2. まだ大学生(専門学校生)なので生めない
  3. 結婚できない
  4. 夫(恋人)の暴力
  5. 育てられない
  6. 健康上の問題
  7. 無理矢理の性交による妊娠
  8. 40代・50代の妊娠

まだ高校生以下なので生めない

高校生以下の方の妊娠が他の場合と決定的に異なる点は2つあります。
 (1) 母胎がまだ未成熟だという点
 (2) 妊娠・出産が、「高校卒業」の弊害となってしまう
 ※経済的な問題については後述します

(1)若年齢出産の危険性について

18歳未満の女性の身体は、一見成熟しているように見えても、まだ未成熟です。
その為、妊娠時高血圧症などの発症率が高く、出産そのものの危険性も高くなります。
そもそも妊娠・出産は決して安全なものではありません。
日本は妊産婦死亡率が世界でも際だって低い国ですが、それでも毎年60人前後の女性が、妊娠・出産を原因として命を落とされているのです。
特に、35歳以上の高年齢出産と、24歳未満の若年齢出産には、危険が伴います。

【出産が可能か】
信頼できる産婦人科医を受診し、ご両親を交えてよく話し合って下さい。

(2)高校卒業について

生むつもりなら、高校は絶対に卒業する気持ちでいて下さい。
理由はハローワークへ行けばすぐにわかります。正社員求人はほぼ「高校卒業」が条件です。
資格を取る時にも、多くの試験で「高校卒業と同程度」が受験資格とされています。
今の日本では高校を卒業していないと、働く事さえ難しいのです。
働く事ができなければ、子供を生み、育てる事はできません。
高校生以下の若い少女が出産するならば、どうやって高校を卒業するかは必ず乗り越えるべき問題です。
もし貴女が「中退して生む」という考えならば、その考えは捨ててください。
生むつもりならば、どうやって高校を卒業するか、それを考えましょう。

【どうやって高校を卒業するか】
高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)に合格できるか
■保護者の援助…結婚・妊娠・出産をしても学校に通い勉強を続けさせて貰えるか
■学校の理解…結婚・妊娠・出産しても在学を許して貰えるか
■友人知人の理解…結婚・妊娠・出産について他の生徒の理解を得られるか


その他にも、相手と結婚できないといった問題や経済的な問題などが考えられます。
相手が結婚に応じてくれない場合は結婚できないを、経済的問題については育てられないをご参照下さい。

ティーンエイジャーの妊娠は、どの道を選択しても負担が大きく、とても辛い問題です。
大切なのは、まず、自分でよく考え、自分がどうしたいかを決めること。
次に、貴女にできることを、全力ですること。
その上で、貴女のご両親と、赤ちゃんの父親・そのご両親と、よく話し合うこと。

年若い貴女には、どうしても自分1人ではできない事があります。
それはどうしようもないことだけど、だからこそ、今の貴女にできる精一杯を尽くしましょう。


まだ大学生(専門学校生)なので生めない 人生設計に大幅な狂いが生じてしまう。それが貴女にとっての一番の問題点でしょうか?
(※経済的問題については、育てられないを参照してください)。

研究や、資格取得、就職活動に際して、妊娠・出産はとても大きな障害となります。
とはいっても、働きながら子育てをしている人がたくさんいるのですから、大学に通いながら子どもを育てることは、決してできないことではありません。
大学も、学生が既婚であることを前提に、夫婦寮を用意している所もあります。
学生だから生めない、というのは、安直な考えです。

例えば
◆就職していないから子どもを育てるお金がない、という事なら
 里親制度を利用し、就職まで里親さんに子どもを預けるという方法も採れます。
◆どうしても自分で育てる事ができないなら
 出産した後に特別養子縁組支援NPOを通じて養子に出すという方法も採れます。
◆ご両親などの協力を得れば、子育てをしながら学校に通うこともできます。

大学生の最大の利点は、半年程度の休学なら簡単にできるという点にあります。
育てるという点では問題が残るかもしれませんが、出産そのものは、さほど問題なくできるのです。

周囲とよく話し合い、結論を出してください。

結婚できない

赤ちゃんの父親と結婚できない場合の問題点は簡単に次のようになります。
  1. 未婚の母となってしまう
  2. 出産・養育費を母親1人で負担しなければならない
  3. 養育に関わる問題を母親1人で負担しなければならない

未婚の母となってしまう

日本は「未婚の母」に対して社会的差別をする国です。
世界的には子どもの約4割が婚外子ですが、日本ではたった2%。
それは、国が、婚外子を差別する制度を採ってきたからです。

ですが、2013年に、婚外子差別規定には違憲判断が下り、削除されました。

日本の法律婚制度は、国が「望ましいと考える家族形態」以外を差別・排除する、問題の多い制度です。
ですが令和に入り、選択制夫婦別姓や同性婚などといった「新しい家族の形」を問う裁判が相次いでいます。
国が求める「望ましい家族」だけが「幸せな家族」ではありません。
「家族とは何か」をよく考えてみて下さい。


出産・養育費を母親1人で負担しなければならない

出産費用については、出産一時金・出産手当金などの制度があります。
社会保険か国民保険か、あるいは自治体によっても多少補助内容が違いますので、市区町村役場の福祉課または子ども福祉課で相談してみて下さい。

養育費については、赤ちゃんの父親に対し認知および養育費請求の裁判を起こす事で、多少は対処できます。
もちろん、仮に強制認知が通り養育費の支払い命令が出たとしても、払わない男性も多いという現実は忘れてはいけません。
また、養育費は相手方の経済状況によって金額が変わりますので、アテにはできません。
何より、裁判や強制執行の手続きは難しそうだと尻込みしたり、金銭絡みだという事で相手に毅然とした対処ができない人が多いのが一番の問題です。

ですが、裁判そのものはきちんと勉強すれば自分でもできるものですし、親子関係が確実にあるなら100%母子が勝ちます

養育に関わる問題を母親1人で負担しなければならない

夫婦そろっていても子育ては大変なもの。
母親1人では一緒にいられる時間も少なくなってしまいますし、精神的にも大変です。
子供が幼い内はフルタイムで仕事をする事が難しく、経済的に困窮する可能性が高くなります。

どうしたらいい?を参照してみてください。
例えば、養育困難な一定期間だけ里親さんに預けるという方法。
将来的にも引き取るのが難しいなら、養子として誰かに託すという方法もあります。

実母が育てるだけが道ではないと私は思います。
ただし、育てない事と捨てる事とはまったく違います。
どんな理由があろうとも、絶対に捨てないでください。
育てられないなら養子縁組をして下さい。
どうかお願いします。



■特殊事例:父親と婚約はしているけれど年齢の問題で結婚できない場合

日本には婚姻準正という制度があります。
生まれた赤ちゃんを父親が認知している場合、その後に両親が婚姻する事で、子供が嫡出身分を取得できるという制度です。
ですので、年齢の問題で法律上結婚できない(18歳未満)だけなら、両家のご両親および産婦人科医とよく相談し、生む事を前向きに検討して頂きたいと思います。

ただ、人の心は変わるものです。
赤ちゃんが生まれたらすぐに認知して貰い、できれば相手と同居し、内縁の妻として周知徹底して貰ってください。

内縁の妻とは、婚姻届を出していないだけで実質上の妻である人を指す法律用語です(世間では「不倫妻」と勘違いしている人も多いですが、それはマスコミによる誤ったすり込みです)。
できれば身内だけの小さなものでいいので、結婚式を挙げてください。式場を借りる必要はありません。記念写真を撮るとか、近しい親族の前で三三九度を交わすとか、その程度で構いません。
内縁の妻として認められていたという事実は、もし将来何かトラブルが起こったとしたら、とても役に立ちます。
母親として、子どもの未来の為に、万全の準備をしておきましょう。


その他の理由で結婚できない場合でも、養子縁組などの選択肢があります。
どうしたらいい?をご覧頂き、専門機関に相談してみてください。


夫(恋人)の暴力

夫または恋人による暴力を、ドメスティック・バイオレンス(DV)と言います。
DVは、貴女がひとりでどう頑張ろうと、解決できません。
ましてや妊娠されているのであれば、貴女と赤ちゃん両方の命に関わる問題です。
今すぐ専門の相談機関に相談してください。

DV相談プラス
※内閣府が開設している公的なDV専門相談窓口です。

DV(ドメスティックバイオレンス)とは

DVとは、家庭内暴力のこと。でも、殴る蹴るだけがDVではありません
  1. 性的DV:性行為を強要する、避妊してくれない
  2. 経済的DV:生活費をくれない、働くのを禁止する
  3. 精神的DV:モラルハラスメント。馬鹿、ブス、デブなどと罵ったり「お前が悪い」などと言う
  4. 多産DV:避妊せずに出産を強要する
この人といると何だか苦しいな……死にたいな……そう思ったら、DVかもしれません。

子どもが生まれたら彼も変わるかもしれない……そう考える人が大勢います。
変わりません。
逆に子どもが生まれて逃げられなくなったら、DVが加速する傾向があるとはっきりしています。

逃げましょう。

育てられない

出産には、出産一時金出産手当金といった補助制度があります。
里親制度を利用して、生活基盤が整うまで里親さんに子どもを養育していただくという選択肢もあります。
どうしても自分で育てる事が無理なら、養子縁組という選択肢もあります。
母子寮に入って生活保護を受けるという道もあります。

ただしそれでも、妊娠期間中働けない事などの問題は大きくのしかかってきます。もしも貴女が介護や、他の子供の育児を担っているなら、やはり相当な負担でしょう。

そうした事も含めて妊娠SOSに相談してみてください。

健康上の問題

答えを出す事は誰にもできないのだと、貴女にもきっとわかっていらっしゃるのだと思います。
女と生まれたからには我が子を抱きたい。そのお気持ちはわかります。
同じように、愛する貴女を失いたくない周囲の方のお気持ちもわかります。

決断の為のお力になる事は、私にはできません。ごめんなさい。

ただ、私は、貴女のお気持ちよりも、生まれてすぐに母親を失うかもしれない赤ちゃんのことを思います。
自分のせいで大切な人を傷つけ、或いは失わせたと思う時、人はどれほど苦しむでしょうか。
その時、貴女は愛しい我が子に、何をしてあげられるのでしょうか。

そのことをよくお考えになった上で、結論をお出しになってください。

無理矢理の性交による妊娠

強姦による妊娠の重さは、傷ついた貴女が独りで背負えるものではないし、背負うべきものでもありません。
本当は家族や身近な人に相談して欲しい。でも、強姦(レイプ)による妊娠は、あまりにも重すぎて、家族も受け止めきれないかもしれない。
まずは、できるだけ早く、専門家に相談してください。
ワンストップ支援センター(性犯罪・性暴力被害者を支援する為のセンター)
性犯罪・性暴力に関する相談窓口です。
産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関とも連携しています。

【その他の救援サイト】
Tokyo Rape Crisis Center 東京・強姦救援センター
レイプクライシス・サバイバーズネット 関西
警察による犯罪被害者支援ホームページ

40代・50代の妊娠

あまり知られていない事ですが、堕胎選択者の年代で最も多いのは、40歳以上の女性です。
40歳を過ぎている場合、出産自体の危険度が高く、また、出産後の養育も非常に困難です。
既にお子さまがいて、思春期或いは受験期に入っているという方。
親の介護が必要で、とても子育てなどできないという方。
40歳以上の女性には、守るべきものが多くあり、出産・育児に当てるべき労力や財力が無いという場合が多い。
若い未婚女性なら養子縁組や里親に預けるという選択も可能ですが、既婚の壮年女性にとっては、その選択も難しいかもしれません。何よりも、出産そのものがあまりにも危険です。
そのため、40歳を過ぎて「予定外の妊娠」をしてしまった場合、既婚未婚を問わず、堕胎を選択する方がとても多いのです。

でもどうかお願いです。ひとりで悩まないで。ひとりで苦しまないで。
今は救えない命かもしれない。だけど、だからこそ、どうしたら救えるようになるのか、多くの人たちが考えていかなければいけないのです。
専門家に相談する事を恥と思わないでください。NPOのほとんどは、個人情報の秘密を守る事を宣言しています。専門家に相談し、今後も増えていくだろう40代50代の予定外妊娠問題を、いかにして解決していくか、皆で知恵を絞りましょう。

忘れないでください。40歳以上の女性の妊娠は、貴女だけの問題ではありません。

夫が避妊してくれない場合

夫が避妊してくれず、何度も妊娠して、子だくさん……
それは多産DVかもしれません。

子どもは可愛いですよね。愛していますよね。
DVの結果で生まれたなんて絶対に言えませんよね。
でもその母の愛こそが、相手の罠かもしれません。

セックス以外については夫に不満は無い……そんな場合でも、よく考えて。
避妊に協力しないのは性的DVです